3.地⽅都市

課題

大都市への人口流出や大規模ショッピングモールの進出により中心市街地は空洞化し、地域産業が衰退、経済活動が著しく低下しました。また、人口減と経済の低迷による税収の減少は、道路や橋梁、上下水道などの都市インフラの維持及び行政サービスの低下を引き起こすことが懸念されています。

展望

サテライトオフィスやベンチャービジネスのインキュベーションとして、中心市街地の空きスペース活用による再活性化を進め、豊かな自然を活かしながら地域独自の文化や魅力を掘り起こす、オリジナリティを際立たせた“都市力”を武器に差別化戦略を推進します。さらに近隣の地方都市と連携し、都市機能の相互補完による経営の効率化をはかる「コンパクト&ネットワーク」政策の積極的展開が求められます。

事例ご紹介(クリックで詳細をご覧いただけます)

地方のテレワーク拠点 基本コンセプトの作成

ふるさとテレワーク拠点のコンセプト作成(北海道長沼町)

ミサワホームグループは、2017年3月に長沼町と「まちづくり包括連携協定」を締結し、産官学連携をベースに住民の協力も得ながら、町の活性化に向けた取り組みを進めています。
その中で、地方のサテライトオフィス等を活用して都市部の仕事を行う働き方である「ふるさとテレワーク」拠点整備についても検討を進めてきました。

協定締結以後、町内で実際にテレワークを実施し、サテライトオフィスとしての利用可能性の検証を重ねてまいりました。これらの取り組みをもとに完成した「ながぬまホワイトベース」は、総務省の「平成30年度ふるさとテレワーク推進事業」に採択された「北海道ながぬまホワイトベース推進プロジェクト」の一環で整備したテレワーク拠点です。
建物は空き店舗をリフォームしたもので、テレワーク環境について調査・研究を進めてきたミサワホーム総合研究所が基本コンセプトを策定しました。

■「北海道ながぬまホワイトベース推進プロジェクト」概要
<参加者>
北海道長沼町、合同会社マスケン、一般社団法人ながぬま、ミサワホーム北海道株式会社、 株式会社ミサワホーム総合研究所
<取り組み概要>
  • ・夏季は農業・農村体験を中心としたグリーン・ツーリズム、冬季は雪と寒さ体験を軸としたホワイト・ツーリズムに取り組み、通年での観光客の獲得と拡大を目指す。
  • ・旅行会社の常駐テレワークオフィスとして「ながぬまホワイトベース」を整備し、地元ワーカーと連携することでタイムリーな情報発信とアテンド業務の効率化をすすめ、観光客の満足度の向上を図る。
  • ・映像コンテンツ事業者が駐在し、町のロケーションを生かした CM・テレビ等の企画・編集を行い海外にも発信することで、インバウンド観光客の獲得を目指す。
コワーキングスペース
TV会議スペース

ビッグデータを活用した防災モデル事業

防災ネットワークシステムのモデル事業

ミサワホームとKDDIが共同開発した被災度判定計「GAINET」は、住宅の基礎部分に設置する計測部で計測した地震波をもとに、住宅内の表示部で分析したリアルタイム震度と建物及び地盤の被災度ランクを表示します。また、音と連動して警告することで短時間に家の被災度を把握し、避難、復旧に役立てます。このGAINETを用いた防災ネットワークシステムモデルについて、徳島県とモデル事業を行いました。

依頼主  :総務省
代表提案者:ミサワホーム総合研究所
実施場所 :徳島県内(40カ所)
  • ・防災ネットワークシステムモデル:住宅・学校・病院・行政・避難所に設置した被災度判定計で地震発生後の被災度を自動判定し、自治体はその通知された被災度データを参考に被害エリアを特定し、効果的な復旧対応並びに復旧対策を実施
  • ・周辺の災害情報通知モデル:気象庁や県・市町村情報を通知
  • ・安否確認モデル:高齢者の見守り / 被災時の安否確認 上記の地震・被災度情報を家族や市民、県・市町村、住宅会社等で共有化

伝統町屋

地方都市の伝統的なまちなみや建築様式を取り入れ、再現した“現代町屋”による住宅地開発計画です。間口が狭く奥行きのある短冊形の敷地に、伝統的な町屋の平面形を基本とした中庭型住宅は、日照やプライバシーを保ちながら快適に暮らすことのできる先人の知恵を引用しました。
一般的には、奥行きの大きい敷地の場合、敷地延長(旗竿)による区画割となりがちですが、敢えて短冊型の敷地とし、伝統的なまちなみと地域の特色を生かした設計です。
また、道路に面して1階「蔵」+中2階を配置。通りから見た建物の高さを抑える大屋根とし、圧迫感を軽減するとともに、全体としてボリューム感のある外観デザインとしました。

商・住ミックス開発

市街地の未利用地に、商業施設、集合住宅、戸建住宅を建設する複合開発型の計画です。住宅地に隣接して商業施設及び公益的サービス施設を配置することにより、賑わいと活気を呼び込み、単身者用の賃貸住宅から高齢者用バリアフリー住宅まで多様なバリエーションの住宅を計画し、多世代が同じまちに暮らすことを目的とした用途と世代がミックスするまちづくりです。
商業エリアにはカフェやサテライトオフィスを配置し、歩いて暮らせるコンパクトな計画により地域コミュニティの活性化をはかり、若年層から子育て世帯、高齢者まで、それぞれの充実した暮らしを実現し、ライフステージ毎の住み替えができる持続可能なまちづくりを目指します。

セキュリティ・コンプレックス

セキュリティ機能を持つ低層集合住宅のまちづくり計画です。敷地の外周に沿って住棟を配置し、隣棟間にセキュリティ・ウォールを設けることにより、住棟がセキュリティ・ウォールの機能の多くを担う為、通常の住宅地景観を維持しながら、不審者の内部への侵入を防ぎます。
外周部の構造とは逆に、まちの内部はオープンスペースとし、入居者が安心してくつろげる緑の広場を計画。休憩やイベント、アスレッチック等、多様なアクティビティに対応します。
外周部に緑地帯と住棟を設けることにより、近隣に対するゲートのイメージを軽減し、地域との調和をはかります。

門前町再開発プロジェクト

格式のある神社の表参道を伝統的な景観に再生する、まちなみ整序計画です。雪国の通りにみられる“雁木”‘(がんぎ)をモチーフとし、歩道をオープンテラスとして一体的に設計し、食事やショッピングを楽しみながらくつろげる空間としました。
表参道に面する建物は、敷地内に雁木を設け、隣同士を連続させることでアーケードを形成し、参道に対して統一したイメージを作ります。さらに、雁木の奥には店舗を設け、伝統的な建築様式を踏襲した、平入・妻入りの建物をリズムよく配置し、歴史を感じさせるまちなみを再現します。
また、祭りの会場として表参道を開放し、伝統行事に相応しい舞台装置とします。その地域ならではの意匠を現代の建築で再現することで、他にはないオンリーワンの魅力を作り出します。

まちづくりコーディネート

暮らしのデザインを中⼼に「まちづくり」をトータルコーディネートいたします。

住環境創造コンサルティング

安心・快適な暮らしをつなぐ。価値あるまちづくりをサポートします。