MISAWA

テクノロジーラボ 住まいの素材、構造や工業化のテクノロジーなど住まいづくりに
関わる研究の一部を科学的な視点からご紹介いたします。

現代の合板は誰が発明したか

2016-11-04

現在の合板は、1837年頃にサンクトペテルブルクで機械の製造を手がけていた実業家イマニュエル・ノーベル(ノーベル賞創始者アルフレッド・ノーベルの父)によって、針葉樹の丸太を薄くカツラムキするための機械、ロータリーレースによって得られた単板を使った合板の製造法が発明されできあがりました。下記の写真はロータリーレースされた単板です。tech_1608_1.png

 イマニュエルの発明がなければ、アルフレッドに複数の家庭教師をつけ、化学を学ぶためにパリやアメリカへ留学することが可能になったかどうか。
 木材を互い違いに重ねることは、紀元前3500年前の古代エジプトに、単板を互い違いに重ね合わせた製品が産出されているように、元々は良質な木材の不足を補うために古くから作られていたようです。薄くスライスした木材を接着剤で貼り付けることで構造材になることは偶然気づいたとか。
 日本では1907年(明治40年)、名古屋の浅野吉次郎が独自に開発したベニヤレース(ロータリーレースとほぼ同じ)の実用化によって始まったとされています。ベニヤレースは1874年(明治7年)に輸入されて、博覧会に展示されました。下記写真は接着を行うホットプレス機です。tech_1608_2.png
 合板の特徴は、製品サイズが豊富、含水率の変化に伴う伸び縮みが少ない、XYZ軸どの方向からの力にも対応できる強度がある、釘の保持力が高い、様々な用途に向けた性能の製品が作れる、価格が安いなど木材の欠点を補っただけでなく、経済性においても優れた材料です。合板がなければ現在の建築がなりたたないほどの重要な材料といえます。