1.大都市

課題

1950年代より、太平洋沿岸部への企業集積、投資、雇用が活発に行われ、地方から都市への人口集中が顕著になり、沿岸地域の工業化の拡大に伴って大気汚染や交通渋滞、居住環境の悪化等、過密による様々な環境問題が顕著になりました。また、東日本大震災では、物流、情報、エネルギーなど大都市基幹機能の脆弱性が浮き彫りになりました。

展望

今までの集約効率化指向から、分散化と密度の最適化によって、歩行者専用ネットワークやオープンスペースの整備など、ゆとりある都市空間の再構築と都市環境ならびに都市防災機能の改善が期待されます。ITの進化により、文化・情報の集積と発信といったインテリジェンス・ハブとしての役割は一層高まるとともに、豊かな自然環境の再生と災害に対するレジリエンスを獲得する、日本ならではの国際都市の再編が重要施策となるでしょう。

事例ご紹介(クリックで詳細をご覧いただけます)

タウンハウス型分譲 Case1

開発行為による道路を新設し、2~3ユニットを1棟とした連棟式長屋を配置します。通過交通のないループ状の道路は、コミュニティの共用空間となる“みち広場”として居住者の多様な利用を可能とします。
連棟式長屋による設計は、一般的な戸建住宅に生ずる住棟間の未利用空間をなくし、敷地の高度利用と豊かな共用空間を創造します。また、各ユニットを雁行配置とすることにより、4面に開口部を設けることが可能となり、戸建住宅と同等の室内環境を確保しました。
また、ゆるやかにカーブする区画道路に沿って雁行する建物が、変化のあるまちなみを作り出すとともに、各敷地の駐車スペースの床仕上げを統一し、これが連続することで歩道をイメージさせる広々とした街路空間を演出します。さらに、電線類を地中化したことで実現した、開放的ですっきりとしたスカイラインも、このまちの特徴です。

タウンハウス型分譲 Case2

計画地の接道状況から、開発道路を設けず(開発行為とせず)に連棟式長屋を棟ごとの個別接道とすることにより、公共減歩を無くして敷地活用の最大化を図るとともに開発行為申請に係る作業と費用を削減することが可能となります。
開発道路を省略することで、自動車通路・駐車スペースを計画地中央に集約。敷地内を歩行者専用の共用空間でネットワークさせ、歩・車分離による安全な移動空間を創造します。また、歩行者専用通路を広場としてデザインすることで住人同士のコミュニケーションや子供の遊び場など多機能空間としての利用が期待できます。
維持・管理の面では、マンションと同様に管理組合を設立し、敷地・建物を区分所有とすることにより、まちの入口にゲートを設けてセキュリティの高いまちづくりが可能となります。また、まち全体の維持管理を共同で行い、質の高い居住環境と資産価値を将来にわたり持続することができます。

タウンハウス型分譲 Case3

3方向を既存道路に接する立地特性を生かし、外周部に駐車スペースを配置し、まちの内部を歩行者専用の中庭として開放しました。連棟式長屋のタウンハウスは中庭を囲むように配置され、周囲の環境から守られた安心・安全な住環境とします。
ミニマムな住戸プランにより密度を高めるとともに、中庭を居住者共通のリビングルームとして開放し、メリハリのある快適な居住空間とコミュニティを創造します。
どの住戸からも眺めることのできる中庭は、入居者のプライベート・ガーデンであると同時に、そこで遊ぶ子供たちを見守ることのできる安心・安全な生活空間です。
また、夏季に吹く風を捉えて、まちの中に導き入れる住棟配置とすることで、涼しさを感じる“微気候デザイン”を採用しています。

高密度戸建

市街地の小規模な敷地を対象とした高密度戸建住宅の計画例です。計画地の中央に位置指定道路を設け、接道間口を抑えた短冊状の宅地を配置します。
住宅設計は、京都の伝統町屋を基本とした中庭型プランで、密集市街地の立地特性に対応するよう日照、プライバシーを確保する計画としました。高密度で快適に暮らす先人の知恵を取り入れることにより、居住性と利便性を備えた“現代版町屋”です。
中央の行き止まり道路は、関係者以外の進入が生じにくいため、自動車のためではなく入居者の生活空間として、様々な利用に対応する“みち広場”としてデザインしました。

まちづくりコーディネート

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